3点ユニットの部屋はもう決まらないのか|築古オーナーが賃料を下げる前に確かめること

結論からお伝えすると、3点ユニットの部屋が決まらない原因は、3点ユニットそのものより「見え方」にあることが多いです。バス・トイレ別に改修すれば決まる、という話は、多くの築古ワンルームでは物理的に成立しません。

内見までは入っている。しかし決まらない。募集を任せている担当者に理由を聞くと「やっぱり3点ユニットが厳しいですね」と返ってくる——1980年代のワンルームを持つオーナーがよく突き当たる場面です。ここで賃料の話に進む前に、確かめられることがいくつか残っています。

3点ユニットの部屋で賃料を下げる前に確かめる6点の図。断られている理由の切り分け、浴室の写真、鏡や水栓の交換、換気扇と便座、分離改修の面積、賃料を下げるのは最後という順序を並べた一覧。

バス・トイレ別への改修は、面積が足りるのか

3点ユニットで多いのは、1216(約1.2メートル×1.6メートル)や1116(約1.1メートル×1.6メートル)と呼ばれるサイズです。この中に洗面台・浴槽・便器の3つが収まっています。

これを分離するには、浴室と便所をそれぞれ独立した空間として確保する必要があります。壁を立て、配管を分け、便所側に換気と照明を新しく引くことになります。元の3点ユニットの寸法のままでは、分けたあとの浴室が実用に耐えない大きさになります。居室側を削って面積を持ってくる方法もありますが、居室が狭くなれば募集条件そのものが変わってしまいます。

つまり分離改修は、「やるかやらないか」ではなく「その物件で成立するかどうか」から入る話です。図面と現地を見ないまま費用の話をしても、判断材料になりません。

内見した人は、何を見て断っているのか

3点ユニットという設備の形そのものより、次の3点で断られていることがあります。

  1. 写真が暗く、実際より狭く見えている——ユニットバスは窓がない場所に付いていることが多く、掲載写真の段階で悪い印象がつきます
  2. 鏡・水栓・シャワーカーテンレールが古い——ここは面積が変わらないのに、印象が大きく動く部分です
  3. 換気扇の音と便座の汚れ——内見のあいだに必ず気づかれます。設備の年数がそのまま伝わります

この3つは、いずれも壁を壊す工事ではありません。鏡を替え、水栓を替え、シャワーカーテンを新しくして、写真を撮り直す。ここまでやってから内見後の反応を見ると、断られている理由が「形」なのか「状態」なのかが分かれてきます。

もうひとつ見落とされやすいのが、3点ユニット以外の条件です。室内に洗濯機置き場があるか、インターネットが使える状態か、コンセントの数が足りているか。単身者が部屋を選ぶときに確認する項目は、浴室だけではありません。3点ユニットという1点に理由を寄せてしまうと、本当の断り理由が見えなくなります。募集条件を1行ずつ読み返して、説明できない制限が残っていないかを確認してください。

賃料を下げる前に、10年ぶんで計算する

賃料を月5,000円下げれば、決まりやすくはなります。ただし年間で60,000円、10年で600,000円の差になります。しかも一度下げた賃料は、更新のたびにその金額が続きます。次の入居者を募集するときの基準にもなります。

そして売却を考える場面では、賃料は収益還元の計算にそのまま乗ってきます。賃料を下げる判断は、部屋1室の話ではなく、建物の評価の話になります。見せ方の改善に一度費用をかけて済むなら、そちらのほうが後に残るものが多くなります。

賃料以外の条件で調整する手もあります。初期費用の総額を見直すほうが、月額を下げずに決まりやすくできる場合があります(消毒料は必要か)。

それでもユニットを入れ替えるなら、いつやるか

浴槽の底にひび割れが出ている、床の防水パンから漏れている、といった状態であれば、見え方の改善では対応できません。この場合はユニットごと入れ替える判断になります。分離せず、同じサイズの新しいユニットに交換するだけでも、内見の印象は大きく変わります。

交換を検討するときは、同じサイズのユニットが今も流通しているかを先に確認してください。古い寸法のものは、そのままの型が生産終了になっている場合があります。入る型がない状態で退去が出ると、その場で判断を迫られます。空室になる前に、一度業者に見てもらっておくほうが安全です。

時期は退去が出たタイミングです。入居中の交換は数日にわたって浴室が使えなくなるため、段取りも費用も余計にかかります。原状回復の見積を取るときに、ユニット交換を含めた場合の金額も一緒に出してもらうのが効率的です(原状回復工事)。

なお、同じ建物で複数の部屋が空いているなら、1室だけ交換して次の募集で比べてください。埼玉県・千葉県西部・栃木県南部の築古ワンルームでも、同じ建物内の比較なら、立地の条件が揃うので判断がしやすくなります。

賃料を月5,000円下げる場合と、浴室の見せ方と状態を整える場合を左右で比べた図。10年で60万円の差になることと、一度の費用で収益力が残ることを並べている。

確かめる順番

  1. 問い合わせ数と内見数を分けて見る(空室の原因
  2. 浴室の写真を撮り直す
  3. 鏡・水栓・シャワーカーテンを交換する
  4. 換気扇と便座の状態を確認する
  5. 設備の不具合があればユニット交換を検討する
  6. 分離改修は、面積が成立するかを図面と現地で確認してから
  7. 賃料を下げるのは、いちばん最後

3点ユニットの部屋を複数抱えていると、どこから手を付けるかの判断が難しくなります。募集の反応と部屋の状態を突き合わせるところからご相談いただけます。管理のお問い合わせからお気軽にどうぞ。

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