連結送水管の配管は、設置から10年を過ぎると水圧をかける点検が加わります|築古の賃貸マンションのオーナーが読む消防法施行令29条

結論からお伝えすると、7階建て以上の賃貸マンションには連結送水管が付いていて(消防法施行令29条1項1号)、その配管は設置した日から10年を過ぎると、点検のたびに水圧をかけて漏れを確かめる項目が加わります。一度やれば、次は3年後です。根拠は消防庁の告示「消防用設備等の点検の基準」の別表第20です。築古の大きな建物を持つオーナーにとって、これはふだんの点検とは別に費用が出る年が決まっている、ということです。

点検の業者から届いた見積書に、いつもの行のほかに「連結送水管 配管耐圧性能点検」という1行が増えていて、金額もいつもより大きかったとします。この1行が何のためにあるのかを知っていれば、断るべきものか、予算に入れておくべきものかが判断できます。

共同住宅に連結送水管と屋内消火栓が付く条件と、配管の耐圧点検の時期をまとめた図

連結送水管と屋内消火栓は、どんな建物に付いているのですか?

共同住宅は、消防法施行令の別表第一で(5)項ロに当たります。そのうえで、2つの設備は付ける条件が違います。

  • 連結送水管…地階を除く階数が7以上の建築物(29条1項1号)、または5以上で延べ面積6,000平方メートル以上の建築物(同項2号)。消防隊が外の送水口からポンプ車で水を送り、上の階の放水口で使う設備です
  • 屋内消火栓…共同住宅は延べ面積700平方メートル以上(11条1項2号)。ただし、主要構造部を耐火構造にして内装を難燃材料にした建物は3倍、耐火構造などで条件を満たす建物は2倍の面積に読み替えます(11条2項)

つまり、連結送水管は階数で、屋内消火栓は面積と構造で決まります。鉄筋コンクリート造の賃貸マンションでは、700平方メートルを超えていても屋内消火栓が付いていないことがあります。読み替えた面積に届いていないためです。

10年たつと、何が変わるのですか?

告示の別表第20(連結送水管の点検の基準)は、配管について次の項目を置いています。

  • 配管の耐圧性能…配管を設置した日から10年を経過した日以降に点検を行う場合に限る。ただし、前回の耐圧性能の点検から3年を経過していない場合と、屋内消火栓設備と配管を共用している部分は除く。判定は「所定の水圧をかけた場合において、変形又は漏水がないこと」
  • ホースの耐圧性能…放水口の格納箱にホースがある場合、ホースの製造年の末日から10年を経過した日以降の点検で同じように確かめる

築古の建物は、とうに10年を過ぎています。3年ごとに、ふだんの点検に耐圧の点検が重なる年が来ると考えて、修繕の計画に入れておくのが実務的です。

点検の結果は、誰が届けるのですか?

消防用設備等を設置し維持する義務は、防火対象物の「関係者」にかかります(消防法17条1項)。関係者とは、所有者・管理者・占有者です(2条4項)。点検の結果は維持台帳に記録し、共同住宅は3年に1回消防長または消防署長へ報告します(消防法施行規則31条の6第3項2号)。報告の流れはアパートの消防設備点検は業者に頼むしかないのかが詳しいので、ここでは繰り返しません。

連結送水管の配管耐圧点検が来る年を確かめる手順を並べた図

ふだんオーナーが見ておく場所はどこですか?

告示は送水口について、周囲に使用上と消防ポンプ自動車の接近の障害となるものがないことを点検の項目にしています。建物の道路側にある送水口の前に、自転車置き場やごみ置き場が寄っていないか。ここはオーナーが外から見て分かります。ベランダや共用部の使い方はアパートのベランダは誰の場所かも参考になります。

都合の悪いことも書いておきます

耐圧の点検で漏れが見つかれば、点検費とは別に配管の修理が出ます。金額は階数と配管の長さで大きく変わるため、ここでは書きません。埼玉・千葉西部・栃木南部の郊外では7階建て以上の賃貸は多くありませんが、持っているなら、その1棟の点検の年は自分で把握しておくのが安全です。設備ごとの扱いは、所轄の消防署と点検業者に確かめてください。

今日やることを1つだけ選ぶなら

前回の点検報告書を出して、「配管耐圧」の行がいつの年に入っているかを見てください。そこに3年を足した年が、次に費用が重なる年です。

出典

  • 消防法2条・17条、消防法施行令11条・29条、消防法施行規則31条の6(e-Gov 法令API・2026年10月9日時点)
  • 消防庁「消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件」(昭和50年消防庁告示第14号)別表第20

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