ごみ出しのルールが守られないとき|築古アパートのオーナーが10月1日の分別変更までにやること

結論からお伝えすると、ごみ出しのルールが守られない物件で先に替えるのは入居者ではなく掲示のほうです。そして、さいたま市に物件をお持ちなら期限があります。令和8年10月1日から、プラスチックごみの出し方が変わります。 市が全戸にチラシを配るのは10月。自治会の掲示板にポスターが出るのは9月です。アパートの掲示を替えるのが10月になると、入居者は1か月間、古いルールで出し続けます。

集積所に、透明でない白い袋が2つ置かれている。中身は見えない。収集車は寄っただけで行ってしまい、袋には注意シールが貼られている。この状態が3日続くと、隣の家から電話が入ります。

さいたま市で令和8年10月1日から変わる分別の5点の図。名称がプラスチック資源に変わる、プラマークのない製品も資源物へ、プラスチック100パーセントのものだけ、いちばん長い辺が30センチ未満、袋は透明で理由も公表されている。

10月1日から、さいたま市の何が変わるのか

さいたま市の発表によると、変更は令和8年10月1日(木)からです。

  • 分別名称が「資源物1類(容器包装プラスチック)」から「資源物1類(プラスチック資源)」に変わる
  • これまでもえるごみで出していた歯ブラシ、ストロー、洗面器、CDケースなど「プラマークが付いていないプラスチック製品」も資源物になる
  • 令和8年9月30日(水)までは、これまでどおりもえるごみで出す
  • 収集曜日の変更はない

出す側のポイントは3つと明示されています。①プラスチック100%でできているもの(金属が含まれている洗濯ばさみや光ディスクは対象外でもえるごみ)、②いちばん長い辺が30cm未満のもの③水で軽くすすいで汚れが落ちるもの(油汚れが付いた使い捨てスプーンや油のボトル、マヨネーズ容器は引き続きもえるごみ)。

袋についても書かれています。「プラスチック資源」はこれまでどおり透明袋。市は理由まで公表しています。中身が見えにくい袋だと異物の混入に気づけず、収集員のケガや収集車両・処理施設での事故のリスクが増えるほか、収集漏れの原因になるため。そして透明袋以外で出されたものは、注意シールを貼って置いていくことがあるとされています。

市の周知の予定も出ています。3月にチラシの自治会回覧、4月に令和8年度版の家庭ごみの出し方マニュアルを各家庭へ配布、9月に自治会掲示板へポスター、10月にチラシの全戸配布。逆算すると、アパートの掲示を9月中に替えられるかどうかで、10月の1か月が変わります。

なお、これはさいたま市の話です。埼玉県内でも、千葉県西部・栃木県南部でも、分別の区分と時期は市町村ごとに違います。物件のある市町村の公表をそのまま見てください。

ごみ集積所は、市のものではありません

ここを取り違えていると、話がずっと噛み合いません。さいたま市は、家庭ごみの収集所について「主に使用しているみなさんで管理、運営していただいています」と書いています。利用の手続きは、利用者で場所を決め、「一般廃棄物(家庭ごみ)収集所に係る申請書」に自治会長の印を受けて清掃事務所に提出する流れ。利用戸数は原則5戸以上です。

新設するときの条件も決まっています。市の「ごみ収集所の設置及び管理に関する要綱」は令和3年4月1日に改正され、新設の際は原則として近隣関係者の同意を得ることとされ、協議書に近隣関係者との協議記録の添付が必要になりました。4戸以下の住宅建設で既存の収集所を使う場合も、その収集所の管理者と利用者の同意が原則必要です。

5戸以上の住宅を建てる場合は市との協議になり、有効面積の基準まで数字で示されています。1戸あたり0.25平方メートル、最小必要面積2平方メートル(10戸を超える分は0.2平方メートル×戸数)。共同住宅で過半数以上が専用面積30平方メートル未満の場合は、0.2平方メートル×戸数(10戸まで)+0.1平方メートル×(10戸を超える戸数)。単身向けの築古アパートは、この小さいほうの基準で造られている可能性があります。 袋があふれるのは、入居者のマナーの前に、面積の設計の問題であることがあります。

オーナーが片付けて出したごみは「家庭ごみ」ではありません

これが今日いちばんお伝えしたいところです。さいたま市の「家庭ごみの出し方マニュアル」(令和8年度版)は、「事業活動に伴うごみ」の例として、事務所・販売店・商店・工場・病院と並べて「集合住宅の管理業」を挙げています。

つまり、共用部の掃除で集めた枯れ葉や、集積所に残された袋を、オーナーや管理会社が片付けて家庭ごみの収集所に出すと、それは事業系一般廃棄物を家庭ごみの収集所に出したことになります。 市の事業ごみの処理ガイドは、根拠として廃棄物の処理及び清掃に関する法律3条を挙げ、「家庭ごみの収集所は、市が市民の皆様の税金で家庭ごみを収集する場所であり、事業ごみは回収しませんので絶対に出さないでください」と書いています。

実際の同法3条1項は、こうです。

事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない

処理の方法は3つ。自社の処理施設で処理する、市の処理施設に自分で搬入する、市が許可する一般廃棄物収集運搬許可業者に委託する。市の施設へ直接搬入する場合は、混雑防止のため事前予約が必要になっています(ごみ持込みコールセンター)。退去後に置いていかれた物の扱いは、これとは別に残置物の話になります(退去後の残置物はオーナーが捨てていいのか)。

「ルールを守ってください」は、法律の言い方でもあります

お願いベースだと思われがちですが、同じ法律に入居者側の条文があります。

まず5条1項。「土地又は建物の占有者(占有者がない場合には、管理者とする。)は、その占有し、又は管理する土地又は建物の清潔を保つように努めなければならない」。清潔を保つ努力義務は、まず占有者=入居している人に置かれています。空室のときは「管理者」=オーナーの側に回ってきます。

次に6条の2第4項。占有者は、自ら処分しない一般廃棄物については「その一般廃棄物処理計画に従い当該一般廃棄物を適正に分別し、保管する等市町村が行う一般廃棄物の収集、運搬及び処分に協力しなければならない」。分別は市の一般廃棄物処理計画に紐づいた話で、努力ではなく「協力しなければならない」と書かれています。

もう一つ、あまり知られていない条文があります。同法5条3項です。

建物の占有者は、建物内を全般にわたつて清潔にするため、市町村長が定める計画に従い、大掃除を実施しなければならない

掲示に書くなら、この順番で書けます。市の計画に基づくルールであること、分別と保管は協力義務であること、そして市が公表している「なぜ透明袋なのか」の理由。守られない掲示の多くは「ルールを守りましょう」だけが書かれていて、誰が決めたルールなのかが書かれていません。

置き去りのごみと、不法投棄の線

入居者以外が置いていく分については、線が引かれています。同法16条は「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」。違反すると25条1項14号で5年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金、またはこれを併科未遂も罰せられます(25条2項)。

さいたま市の事業ごみの処理ガイドは、この点に注記を付けています。令和7年6月1日施行の刑法改正に伴い、不法投棄等をした場合の罰則が「5年以下の懲役」から「5年以下の拘禁刑」に変更されたこと。掲示に罰則を書くなら、いまは「懲役」ではありません。

分別の間違いが物を燃やすことにもつながっています。さいたま市は、令和5年4月に桜環境センターで起きた火災は復旧に3,000万円かかり、ごみ収集車も1台あたり約2,000万円と公表しています。原因として名前が挙がっているのは、モバイルバッテリー、スマートフォン、電子タバコ、ハンディファンなどのリチウムイオン電池使用製品です。「電池は入れないでください」は、環境の話ではなく、人が焼ける現場の話として書いたほうが伝わります。

ルールが守られないときに動く順番の図。集積所を見て写真を撮る、掲示を9月中に替える、全戸に同じ紙を1枚入れる、名指しはしない、続くなら書面で伝える。

動く順番

  1. 集積所を見て、写真を撮る。何が、いつから、いくつ置かれているか。日付が入っていれば後で使えます
  2. 掲示を替える。9月中に。10月1日からの変更と、3つのポイント(プラ100%・30cm未満・水で落ちる)、透明袋の理由
  3. 全戸に同じ紙を1枚入れる。掲示だけでは読まない人がいます
  4. 名指しをしない。「〇号室の方」と書いた紙は、その日から別のトラブルになります
  5. それでも続くなら、書面で伝える。契約の使用ルールに沿った形で、記録が残る出し方にする

説明の届きにくさが原因のこともあります(外国籍の入居希望者を受け入れるときの実務)。集積所そのものの見た目を直す順番は築古アパートのゴミ置き場対策、掃除を誰がやるかの決め方はアパートの草刈り・ゴミ置き場・共用清掃は誰がやるかにまとめています。

今日やることを1つだけ選ぶなら

物件のある市町村のホームページで、分別の区分がこの秋に変わるかどうかを1件だけ確認してください。 さいたま市なら10月1日です。変わるなら、掲示を替える日をカレンダーに9月の日付で入れる。それだけで、10月の1か月ぶんの注意シールが減ります。

契約書の条項として書き足すべきかどうか、違反が続いたときの対応の程度については、宅地建物取引士や弁護士にご相談ください。

出典

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